日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
子宮頸部擦過細胞診におけるモノレイヤー標本の有用性とその将来
ThinPrepを用いた検討
高松 潔照井 仁美長島 義男齊藤 深雪太田 博明野澤 志朗向井 萬起男
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 40 巻 2 号 p. 216-223

詳細
抄録
目的および方法:1050例の子宮頸部擦過細胞診において, ブルームブラシにて細胞採取しモノレイヤー標本自動作製装置ThinPrep processor (Cytyc Corporation, USA) を用いたThinPrep標本を従来法である綿棒塗抹標本と比較し, モノレイヤー標本の本邦における有用性を検討した.
成績:ThinPrep標本と従来標本の判定一致率は98.1%(1030/1050例) であり, 特にClass IVあるいはVにおける扁平上皮系の病変では100%であった.ThinPrep標本の長所としては,(1) 背景がきれいで細胞の重積性が少ない均一な標本が得られる,(2) 鏡検範囲が狭く, 鏡検時間が短縮する,(3) 従来の細胞診断基準を変えることなく判定が可能,(4) 検体が保存できる,(5) 検体の運搬が容易, などが挙げられた. さらに同一検体から自動化に適した細胞診検体を多数作製可能であるため, 免疫細胞化学や診断の自動化, 遺伝子検索といった今後導入されるであろう新しい診断法への対応に適した方法であると考えられた.一方, ThinPrep標本の欠点としては,(1) 核クロマチンがやや淡染化する,(2) 標本作製に手間と時間がかかる,(3) 液状検体の保存場所が必要,(4) 検体作製コストが高い,(5) 綿棒採取は適さない,(6) 子宮頸部以外における細胞検体での検討が少ないこと, が挙げられた.
結論:モノレイヤー標本は有用であり, 将来本邦においても普及して良い方法であると考えられる.
著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top