日本臨床細胞学会雑誌
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内視鏡下擦過細胞診にて診断しえた膵の破骨細胞型巨細胞癌の1例
長屋 浩一西沢 直子高村 浩子中 邦子三上 淳子尾崎 睦美鹿野 哲長部 保彦
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2002 年 41 巻 4 号 p. 265-269

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抄録
背景:膵腫瘍性疾患の診断にあたり, 細胞診の重要性が指摘されている. 特にまれな破骨細胞型巨細胞癌は, 通常の巨細胞癌と比べて予後がよいので, 診断にあたっては特異性の高い細胞診が鑑別診断上きわめて有用である.
症例:67歳女性. 患者は腹痛を主訴に入院. 内視鏡下膵管擦過細胞診では, きれいな背景に悪性細胞の上皮様重積性集塊および破骨細胞様多核巨細胞を認め、破骨細胞型巨細胞癌と診断した. 切除材料では, 肉眼的には、膵頭部の5.0×4.5cm大の境界明瞭な円形腫瘤で, 割面は出血と壊死を伴った嚢胞が多発し, 一部に白色の充実性部分を認めた. 十二指腸筋層への浸潤を認めた. 組織学的には、結合性が乏しい多稜形ないし短紡錘形の異型の強い単核細胞のシート状増殖を認め、破骨細胞様巨細胞を多数認めた. ごく一部に通常の膵管癌の混在を認めた.
結論:膵の破骨細胞型巨細胞癌の診断にあたり細胞診が有用であった. さらに内視鏡下膵管擦過細胞診で診断が得られたという点ではきわめて珍しい症例である. 破骨細胞型巨細胞癌は通常の巨細胞癌に比し予後良好とされるが, 本例も術後3年を経過し, 肝転移を有しつつも生存中である.
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