日本臨床細胞学会雑誌
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当科における10代女性の子宮頸部細胞診の検討
卜部 理恵篠原 道興北野 玲堀田 裕之井出 良浩中村 正光竹ヶ原 幸夫本間 三恵子
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2004 年 43 巻 4 号 p. 261-265

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抄録

目的:過去10年問の当科における10代女性の子宮頸部細胞診を前期7年間と後期3年間の2期に分けて検討し, その意義を考察した.
方法:平成6年1月から平成15年12月に当科を受診した10代女性で性交歴のないものを除き, インフォームドコンセントの得られた症例で, 計203名を対象とし臨床的事項, 細胞診, 性行為感染症の有無などを検討した.
成績:class III以上の所見は203名中11名にみられ, 有所見率は54%であった.前期では有所見者は120名中1名, 0.8%にすぎなかったのに対し, 後期では83名中10名, 12.1%に認められた.有所見者ではクラミジア, 尖圭コンジローマなどほかのSTDとの合併例が高率にみられた.
結論:最近の3年問では10代女性で子宮頸部スメアで高率に異常がみられ, 急速に異形成が増加していると考えられた.産婦人科を受診した女性では, たとえ10代でも積極的に細胞診を採取する必要があると考えられた.

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