抄録
目的:癌未確定例に出現している肺扁平上皮由来の異型細胞 (非癌例に出現する可能性のある異型細胞) と上皮内癌例中の異型の弱い癌細胞を比較することで, 上皮内癌に出現する細胞像の特徴を明らかにした.
方法:1992~1995年の集検喀痰細胞診で要精検例のなかで, 手術で上皮内癌が確認された4例と精査追跡したが癌が認められなかった13例 (以降癌未確定例) で, 高度の異型を示す細胞の大きさやN/C比を計測し, 核, 細胞質所見を観察し比較した.
結果:上皮内癌例では出現異型細胞が有意に多かった (P<0.005). 上皮内癌例ではオレンジG好性細胞に, 切り立つ細胞辺縁をもつ細胞と細胞質に光輝性を示すものが31.1%, 66.7%と癌未確定例の4.0%, 15.4%に比して有意に高かった (P<0.005).
結論:上皮内癌例に出現する異型細胞は, 細胞質の厚みや光輝性が増した細胞の割合が非癌例より高く, これらの所見をとらえることが早期癌発見に必要である.