日本臨床細胞学会雑誌
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唾液腺導管癌3例の穿刺吸引細胞像
樋口 佳代子中山 淳南口 早智子岩佐 葉子中野 聡石橋 恵津子堀川 美栄子
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2005 年 44 巻 2 号 p. 77-83

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抄録
背景:唾液導管癌 (Salivary duct carcinoma) は比較的まれな高悪性唾液腺腫瘍である. 耳下腺に発生した唾液導管癌3例の穿刺吸引細胞像を報告する.
症例:症例1;49歳, 男性.左耳下腺腫瘍. 穿刺吸引細胞像では, 壊死物質とともに結合性が強く節状構造を示す上皮性大細胞集団を認めた. 細胞は多辺形から円柱形の豊富で厚い細胞質を有し, まれにintracytoplasmiclumina (ICL) を認めた. 核は遍在傾向を示し円形から楕円形で細顆粒状のクロマチンを有し, 腫大した核小体を認めた. 症例2;76歳, 男性. 左耳下腺腫瘍. 細胞像では壊死物質を背景に結合性が低下した充実性の上皮性細胞集団を認めた. 細胞の細胞質は厚く, 核細胞質比は高く, 核の配列不整や核小体の腫大が目立った. 症例3;66歳, 男性. 右耳下腺腫瘍. 細胞像ではきれいな背景中に結合性の低下した上皮性集塊が少量認められた. 腫瘍細胞は多辺形で顆粒状の細胞質を有し, 変性のため核が濃縮状で核細胞質比が低かった.
結論:唾液導管癌の細胞診断では, 典型的な細胞像とともに症例間の細胞像の差異や壊死による細胞像の変化も念頭におくことが重要と考えられた.
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