日本臨床細胞学会雑誌
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セミノーマの発症を契機に診断された精巣性女性化症候群の1例
井上 信行古谷 知子木下 幸正大泉 えり子前田 智治古谷 敬三岡本 賢二郎
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2005 年 44 巻 2 号 p. 84-87

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抄録
背景:セミノーマの発症を契機にして精巣性女性化症候群と診断された症例を経験したので報告する.
症例:62歳, 表現型女性. 平成14年8月より右鼠径部腫瘤を自覚し近医泌尿器科受診し, 当院外科に紹介された. 悪性リンパ腫を疑い, 穿刺吸引細胞診を施行した. 小型リンパ球を背景に大型で核小体の明瞭な細胞が散見され, 未分化胚細胞腫, 未分化癌, 悪性リンパ腫等が考えられた. 生検組織材料では大型の腫瘍細胞とリンパ球が混在してみられ, 硝子化した曲精細管も認められた. 腫瘍細胞はグリコーゲンを豊富にもち, 免疫染色では胎盤性ALPが陽性で, リンパ腫マーカーが陰性であり, 停留精巣に発生したセミノーマと診断した. その後の染色体検査では46XYの男性型であった.
結語:今回われわれはセミノーマを合併した精巣性女性化症候群を経験した. 女性で鼠径部にセミノーマの細胞像を認めた場合は, 卵巣の未分化胚細胞腫の転移だけでなく, 本疾患も念頭におく必要がある.
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