抄録
背景:子宮頸部上皮内腫瘍cervical intraep ithelial neoplasia (CIN) grade IIIの治療は, 挙児を希望する場合には円錐切除術が第一選択である. しかし子宮を温存した場合には再発の可能性があるので, 定期的follow upが重要である。
症例:36歳, 未婚女性. 31歳のときCINIIIのため円錐切除術を施行したが, 約1年7ヵ月後にCIN IIIが再発したため再び円錐切除術を施行した. 2回の手術とも断端は陰性であったが, さらに3年後に膣上皮内腫瘍 (vaginal intraepithelial neoplasia; VAIN) grade IIIが発生したため拡大子宮全摘術を行った. 本症例では3回の手術検体すべてにおいてHPV 16型が陽性であった.
結論:CIN IIIに対し円錐切除術を行った場合, 断端が陰性であっても頻度は低いがCIN IIIや浸潤癌が再発することがある. またまれではあるが膣や外陰部に上皮内腫瘍や癌が発生したという報告もある. 円錐切除後は断端が陰性であっても, high risk HPV感染の症例では子宮頸部に限らず膣や外陰部を含めた長期的な追跡が必要と考える.