1999 年 13 巻 1 号 p. 25-34
要 旨
退院後の大腸ストーマ造設患者(61名)を対象に,セルフケアの状況,退院後に受けた医療・社会的支援の経験とニーズの側面から,退院後に必要な具体的支援内容を検討した.データ収集は質問紙と診療録より行い,50名より有効回答を得た.セルフケアの状況については,ストーマとその周囲の変化の観察を実施しているという回答が少なかった.さらに,ストーマとその周囲の観察の実施は,医療従事者からそれに関する支援を受けた経験と関連していた.また,退院後に受けた支援とニーズについては,日常生活や退院後長期にわたるケアに関する支援内容において,回答割合に大きな差がみられた.また,退院後の支援内容により,患者が望む支援者の対象に違いがみられた.以上の結果から,退院後,ストーマとその周囲の変化の観察に関する内容,日常生活や退院後長期にわたるケアに関する内容とともに,より具体的な内容の支援の必要性が示唆された.