日本がん看護学会誌
Online ISSN : 2189-7565
Print ISSN : 0914-6423
ISSN-L : 0914-6423
原著
退院後のストーマ造設患者のセルフケアと医療・社会的支援
伊藤 直美宮下 光令小島 通代
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 13 巻 1 号 p. 25-34

詳細
抄録

要 旨

退院後の大腸ストーマ造設患者(61名)を対象に,セルフケアの状況,退院後に受けた医療・社会的支援の経験とニーズの側面から,退院後に必要な具体的支援内容を検討した.データ収集は質問紙と診療録より行い,50名より有効回答を得た.セルフケアの状況については,ストーマとその周囲の変化の観察を実施しているという回答が少なかった.さらに,ストーマとその周囲の観察の実施は,医療従事者からそれに関する支援を受けた経験と関連していた.また,退院後に受けた支援とニーズについては,日常生活や退院後長期にわたるケアに関する支援内容において,回答割合に大きな差がみられた.また,退院後の支援内容により,患者が望む支援者の対象に違いがみられた.以上の結果から,退院後,ストーマとその周囲の変化の観察に関する内容,日常生活や退院後長期にわたるケアに関する内容とともに,より具体的な内容の支援の必要性が示唆された.

著者関連情報
1999 一般社団法人 日本がん看護学会
前の記事 次の記事
feedback
Top