日本がん看護学会誌
Online ISSN : 2189-7565
Print ISSN : 0914-6423
ISSN-L : 0914-6423
原著
終末期がん患者を看取る家族が活用する折り合い方法の検討
平 典子
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 21 巻 1 号 p. 40-47

詳細
抄録

要 旨

本研究では,終末期がん患者を看取る家族が活用する折り合い方法を明らかにした.折り合いを「患者の避けられない死に直面した家族が,葛藤を解決するために活用する対処」と定義した.対象者は,緩和ケア病棟あるいは一般病棟で看病する家族19人であった.半構成的面接および参加観察法によってデータ収集し,Krippendorffの内容分析法でデータ分析を行った.結果,家族が活用する折り合い方法として,《納得のための吟味》《受け入れやすさへの転換》《面倒を避ける算段》《負担の分散》《不一致を埋める接近》《あきらめの作業》《添い方を変える》が明らかとなった.これらの方法は,看取りにおける葛藤を解決するために活用されており,状況や自分の行動を受け入れる,面倒や負担から自分を守る,可能な添い方を試みるという機能を発揮すると考えられた.

著者関連情報
2007 一般社団法人 日本がん看護学会
前の記事 次の記事
feedback
Top