日本クリニカルパス学会誌
Online ISSN : 2436-1046
Print ISSN : 2187-6592
実践報告
電子パス導入に向けてのクリニカルパス委員会の活動
松原 寛和竹内 直人澤田 佳克永田 純一炭竈 恵美子
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 22 巻 3 号 p. 169-175

詳細
抄録

 2019年4月に電子カルテのベンダーが移行するのに伴い、紙パス56種類から電子パス101種類に増加させて運用開始した。電子パス導入に向けてのパス委員会の活動を報告、分析し、今後のパス委員会の課題を解決する方法を検討した。

 2018年5~6月にワーキンググループで運用規約を作成し、10月に外部講師による院内研修会と最近同じベンダーで新規に電子パスを作成した病院見学を実施した。11月に医局会で全医師に電子パス作成に向けての取り組みを説明、周知を行った。さらに、クリニカルパス(以下、パス)のアウトカムと観察項目を新規にBOMから選択して入れ替えた。12月にパス内の薬剤を各科で統一し薬剤師による承認を行った。2019年1月に最終のクリティカル インディケーター=終了基準として最短入院期間最終日に入れる運用を決定し、電子パス作成の操作研修を行った。2月の1ヵ月間で電子パスを作成、3月に承認委員会で電子パスを審査・承認し、4月に電子パス運用を開始した。

 今回、パス委員会の活動で良かった点は、全診療科からパス担当医師を選出して医師への周知、協力が得られたこと、パス担当医師に電子パス作成の操作研修をしたこと、使用薬剤の統一を病院決定事項として進めたこと、電子パス入力作成の負担軽減、DPCとパスの整合性をとったこと、パスの承認方法である。課題と感じた点は、パス担当医師へのパス作成の呼びかけ、看護師へのパス運用研修、パス教育のあり方であり、カンファレンスでの医師への働きかけ、ミニパス大会とパス大会を開催することにより解決していきたいと考えている。

著者関連情報
© 2020 一般社団法人日本クリニカルパス学会
前の記事 次の記事
feedback
Top