2021 年 23 巻 1 号 p. 22-29
近年、電子カルテへの入力は、医療資格を持たない事務職員などが医師に代わってオーダや記録を入力する代行入力操作が一般化している。電子カルテには、電子クリニカルパス機能も標準的に搭載されるようになり、この操作にも代行入力操作が行われるケースが増えてきた。電子クリニカルパスは、1回の操作で多くの投薬や検査など、患者の侵襲行為にあたるオーダが適用されるため通常の代行入力操作より厳格な手順が求められるが、今まで代行入力操作に関するガイドラインが明示されていなかったため、各種の法令、厚生労働省の通知、ガイドラインに抵触しかねない事例や医療安全上問題となる事例も散見され、当学会にも問い合わせがくるようになった。そこで当学会では、電子クリニカルパスへの代行入力操作が適正に行われるための指針を作成し公開した。本稿ではこの指針につき作成の背景と経緯、解説と合わせて提示する。