日本クリニカルパス学会誌
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実践報告
クリニカルパスにおけるパス大会の意義・運営方法について
若松 弘一宗本 義則斉藤 友護梶山 浩之高橋 薫高田 英二土橋 佐百合笠原 善郎
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2003 年 5 巻 1 号 p. 59-61

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抄録

 パス大会とは各担当部署が作成・運用しているパスに対しあらためて病院全体の職員がその内容につ いて討論する会のことである。

 パス大会の意義については以下のようなものがある。1.チーム医療と医療の標準化をさらに高度なレベルにあげる。2.職員へ知識を広める場を提供している。3.各科あるいは各病棟単位のチーム医療から病院全体のチーム医療に発展させる。

 パス大会を有意義なものにするために、我々は以下のような工夫をして運営している。1.大会は2 か月に1回開催し約70分かけるが、約5分間で前回パスの改善点を述べてもらい、約55分間でパス1題を検討し、約10分間でその他の話題を発表してもらう。2.担当部署の代表者7~8人は前にならんでもらい一言しゃべってもらう。3.会場からの発言は医師以外からは少ないため、看護部門とその他のコメディカル部門から代表のひとりずつに質問を義務付ける。4.ビデオで記録する。5.終了後には質疑応答の内容を提出してもらう、などである。出席者は約200人でその資料も準備している。他院からのゲストの出席も受け入れている。問題点は出席する人が固定している傾向にあることである。実際に大会を行って一番役立っていることは、大会での議論の内容がEBMへのきっかけになっていることである。

 医療は進歩していくものであり、今後もより良い医療を追求するための場をパス大会は提供し続けると考えられる。

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© 2003 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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