2006 年 8 巻 2 号 p. 111-115
整形外科疾患に対するクリニカルパス(以下パス)の利用度は高いが、治療・退院時アウトカムは同一ではないことは多く経験する。当院では患者用・医療者用パスに加えて、リハビリテーション(以下リハビリ)用パス「リハビリ・チャート」を作成し、退院時やリハビリ終了時のアウトカムとして使用しているので報告する。
リハビリ・チャートは立位や歩行などある程度の目標別に何段階かの活動レベル(以下ステップ)を設定し、各ステップには中間アウトカムを設けて、それを達成することにより次のステップに進むもので、患者に合わせてどのステップまでを退院時のリハビリアウトカムにするか、最終的なリハビリのゴールにするかを決めている。
このリハビリ・チャートを使用することにより、医療者間や患者との相互理解を深めることができるようになった。また中間アウトカムや退院時・終了時アウトカムの妥当性の検討もしやすくなった。
今後は検討を重ねて、よりよいリハビリ・チャートを作成し、相互理解を深めていけるようにしていきたい。