日本障害者歯科学会雑誌
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原著
障害者のう蝕罹患に対する長期口腔保健管理の有効性について
阿部 洋子原田 桂子増田 幸三宮脇 守男篠永 ゆかり人見 さよ子園本 美惠有田 憲司
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2015 年 36 巻 1 号 p. 4-9

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抄録
乳歯列期または18歳頃に口腔管理を開始した障害者の長期口腔管理の効果を検証するために,後ろ向き研究によって18歳および30歳時のう蝕有病者率,一人平均う蝕経験歯数(DMF歯数)およびDMF歯率を,口腔管理をしていない30歳の初診群および歯科疾患実態調査報告と比較・検討し,以下の結果を得た.
1. 乳歯初診群および18歳初診群の初診時のう蝕経験は,平均出生年が近い歯科疾患実態調査報告の結果と比べて,う蝕有病者率,DMF歯数(df歯数)およびDMF歯率(df歯率)が高かった.30歳初診群は平成23年歯科疾患実態調査報告の結果と比べて,DMF歯数とDMF歯率が高かった.
2. 乳歯初診群および18歳初診群の30歳時のう蝕経験は,平成23年歯科疾患実態調査報告の結果と比べて,う蝕有病者率,DMF歯数およびDMF歯率が低かった.また乳歯初診群は30歳初診群と比べて,DMF歯数とDMF歯率の値が有意に低かった(p<0.05).
3. 乳歯初診群の重度う蝕がなかった群の18歳および30歳時のDMF歯数は,初診時と比べて有意に低かった(p<0.001).また乳歯初診群の18歳および30歳時のDMF歯数では,初診時に重度う蝕がなかった群は重度う蝕を有した群より有意に低かった(p<0.01).
以上のことから,乳歯列期からの長期口腔管理によるう蝕抑制の有効性が明らかとなった.しかし,乳歯列期の重度う蝕の有無により,成人期のう蝕経験歯数が異なることが示唆された.
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© 2015 一般社団法人 日本障害者歯科学会
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