日本障害者歯科学会雑誌
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臨床集計
Smith-Magenis症候群の歯科的所見
松川 綾子村上 旬平三原 丞二畔栁 知恵子田中 健司藤代 千晶財間 達也藤川 順司秋山 茂久
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2018 年 39 巻 1 号 p. 38-44

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抄録

目的:Smith-Magenis症候群(SMS)は染色体17p11.2上のレチノイン酸誘導遺伝子RAI1の欠失または変異を原因とし,特徴的な顔貌,精神発達の遅れ(軽度から中等度),行動異常および睡眠障害を特徴とする.口腔内の特徴に歯の先天欠如,タウロドントおよび歯根彎曲の報告があるが,SMSに関する歯科領域での国内の報告はほとんどない.今回SMSの全身的特徴および歯科的特徴を調査したので報告する.

対象と方法:Smith-Magenis症候群9人(5~18歳)について医療面接,口腔内診査,印象採得およびエックス線写真撮影を行った.

結果:1)9人全員が中等度の知的能力障害であった.2)行動上の問題として,睡眠障害(9/9),パニック(9/9),自傷行動(8/9)が多かった.3)顔貌特徴として,9人全員に眉毛叢生,眼瞼裂の上方傾斜,めくれたテント状の上唇を認めた.4)歯の特徴として,タウロドント(9/9),先天欠如歯(2/9),歯根彎曲(2/9)を認めた.

結論:SMSでは,タウロドントなどの歯の形態異常や歯数の異常が多く,知的能力障害や睡眠障害,パニックなどの行動異常があることから,歯科受診の際の診療時間の配慮や,行動調整および口腔衛生管理が重要である.

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© 2018 一般社団法人 日本障害者歯科学会
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