日本障害者歯科学会雑誌
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臨床集計
歯科医師と栄養士との協働意識に対する実態調査 ―摂食嚥下障害者に対する連携の充実を目指して―
伊藤 陽子小松 知子李 昌一岩瀬 靖彦
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2019 年 40 巻 2 号 p. 200-208

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抄録

歯科医師と栄養士の協働実態および歯科医師が栄養士に求めるスキルや効果,協働促進の課題を明らかにするため,静岡県駿東歯科医師会,三島市歯科医師会,沼津市歯科医師会の会員219名に調査票を配布し,95名から回答を得た(回収率43%).協働で栄養士に求めるスキルは「摂食嚥下機能評価に対応した栄養状態の評価・判定ができる」ことにより「評価に基づいた食事形態の提案をする」であり,これにより「患者のQOLおよび栄養状態の改善が図れる」効果を期待していた.10名の歯科医師が栄養士との協働を経験しており,頻度は5名が1カ月に1回以上,6名がさらに増やしたいと考えていた.協働(17件)の内容は「嚥下調整食の食事形態の提案・指導」「低栄養の栄養指導」の順で多く,全件でその効果を「とても感じる」と評価していた.また,協働経験のない85名中79名(93%)が「必要があれば協働したい」と考えていた.協働できない理由は「連携の方法や依頼先がわからない」「栄養士に対して歯科との連携や協働のアピールが不十分」「栄養士のできることがわからない」であった.協働促進のためには,栄養士は歯科医師の求めるスキルを身につけること,歯科医師,栄養士の双方において専門分野の相互理解を深めることなど,協働のシステムの充実と周知が必要であることから,地域での多職種連携につながる研修会やワーキンググループの活動が有効であると考えられた.

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© 2019 一般社団法人 日本障害者歯科学会
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