日本障害者歯科学会雑誌
Online ISSN : 2188-9708
Print ISSN : 0913-1663
ISSN-L : 0913-1663
臨床集計
スペシャルオリンピックス歯科健診ボランティア活動前後での知的障害のある人に対する意識の変化
吉田 結梨子高橋 久雄坪井 信二島田 裟彩小園 知佳尾田 友紀小笠原 正岡田 芳幸
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 44 巻 2 号 p. 173-179

詳細
抄録

スペシャルオリンピックス(SO)は知的障害のある人にスポーツを行う機会を与え,スポーツを通じて地域社会とつながる場を提供する国際的なスポーツ組織であり,知的障害のある人にスポーツを行う機会とスポーツを通じて地域社会とつながる場を提供している.さらに,SOは競技会開催時に健康診断の機会を設けるなど,知的障害のある人の健康維持を目的とした活動も行っている.本研究では2022年に開催されたSO夏季ナショナルゲームでの歯科健診にボランティアとして参加した歯科医療従事者に対して行った調査から,ボランティア活動が知的障害のある人に対する心のバリアに与える影響について若干の知見が得られたので報告する.

調査項目のうち「心のバリアの変化」を問う項目では76.6%が「心のバリア」が「もともとない」もしくは「心のバリア」が「なくなった/少なくなった」と回答した.また,「知的障害のある人と関わるイベントにまた参加したいか」という設問に対しては「とてもそう思う/ややそう思う」と回答した者が78.7%であり,知的障害のある人に対するイメージはボランティア活動後で有意に好意的な結果を示した.

本研究結果から,SOでの歯科健診ボランティア活動により知的障害のある人に対する心のバリアが軽減されることが示された.以上から,知的障害者のある人と交流をもつことは精神的バリアを軽減させる方法として有効であると考えられた.

著者関連情報
© 2023 一般社団法人 日本障害者歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top