2024 年 45 巻 2 号 p. 84-93
目的:口腔(歯科)保健センター等(口腔保健センター)の役割や当学会に求められている連携や支援のあり方などについて調査を行い,現状を把握したうえで課題を抽出し,障害児・者の歯科医療提供サービス推進における当学会の口腔保健センターとの連携について検討したので報告する.
方法および対象:調査は日本歯科医学会の承認を得たうえで,本調査の趣旨説明と質問内容および回答先Google formのURLと二次元バーコードを343件の口腔保健センターへ郵送して実施した.
結果:調査に同意が得られた215件より回答を得た.そのうち対象に該当する障害児・者の歯科診療を受け入れている施設は142件(66.0%)であったため,これら142件を分析対象とした.口腔保健センターでは,歯科保健医療の提供・口腔健康管理が網羅的に行えていない現状があり,これに対して,「障害に配慮ができる専門性の高いスタッフによる診療」が必要であると考えている施設が多かった.これまでに受けた当学会との連携や支援としては,「学会の認定医・専門医の研修機関の認定と育成」29件,「障害者歯科の情報提供」13件の順であった.これから受けたい当学会との連携や支援は,「研修会等の講師派遣」62件,「障害者歯科の特殊なケースを受け入れる専門性についての相談」52件の順であった.
結論:口腔保健センターにおいて,歯科保健医療の提供・口腔健康管理を網羅的に行うために,当学会としては,これまでの実績が少なかった「障害者歯科の特殊なケースを受け入れる専門性についての相談」などにおいても対応する必要があると考えられた.