日本障害者歯科学会雑誌
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原著
障害者歯科通院患者におけるCOVID-19ワクチン接種の実態と課題
古谷 千昌, 藤原 里依子, 尾田 友紀, 森本 雅子, 石丸 奈由, 中村 早里, 安田 陽香, 西野 領, 宮崎 裕則, 吉田 結梨子, 岡田 芳幸
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2026 年 47 巻 1 号 p. 18-25

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抄録

緒言:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は世界的に大きな影響を及ぼし,ワクチン接種は感染拡大抑制と重症化予防の重要な手段となった.しかし,社会的に脆弱な立場にある障害者にとっては,ワクチン接種機会の不均衡や接種過程での困難が指摘されている.本研究は,障害者におけるCOVID-19ワクチン接種の実態と課題を明らかにすることを目的とした.

方法:広島大学病院障害者歯科を受診する患者182名を対象に,性別,年齢,障害の種類,接種状況,拒否行動,罹患歴などについて無記名アンケートを実施した.得られたデータをもとにカイ二乗検定および多重ロジスティック回帰分析を行い,接種関連要因を検討した.

結果:接種率は89.6%であったが,接種時に拒否行動を認めた者は34%であり,過半数が身体抑制下で接種していた.接種群と未接種群の比較では,身体障害の有(p=0.002)およびCOVID-19罹患の有(p=0.032)において,接種率が有意に高かった.多重ロジスティック回帰分析では,若年患者および拒否行動が未接種と有意に関連していた.

考察および結論:障害者においても支援体制が整えば高い接種率を達成できる一方,拒否行動や抑制の使用,副反応への不安,接種環境の制約が継続的接種を妨げる要因であった.以上から,未知の感染症の発生時の対応として,障害者歯科医療においても配慮を求められるすべての障害に共通する環境調整や非抑制的支援,不安軽減などによる行動調整を提供できる体制の構築が必要であることが示唆された.

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