日本障害者歯科学会雑誌
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臨床集計
障害者二次歯科診療所である当センターの日帰り全身麻酔の実態調査
鈴木 將之阿部 桂子平沼 克洋篠木 麗今野 歩向山 仁木村 貴美二宮 威重池田 正一佐藤 信二
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2026 年 47 巻 1 号 p. 58-63

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抄録

横浜市にある横浜市歯科保健医療センターでは,2019年1月から2023年12月までの5年間で871例の日帰り全身麻酔症例を行ったので,その実施状況を抽出して課題を検討した.年齢分布,男女比,障害分類,米国麻酔科学会の術前状態分類,麻酔時間,処置時間,導入方法,Cormack分類,気管挿管時の使用デバイス,全身麻酔薬の種類,術中術後合併症を抽出した.平均年齢は22.3±14.4歳(±SD)だった.そのうち男性は567例,女性は304例で,知的能力障害を有する症例が705例で最も多かった.その他に自閉スペクトラム症,脳性麻痺などで,症候群として多いのはDown症候群で45例だった.麻酔時間平均は171±44.7分で,処置時間平均は129±42.8分だった.麻酔方法は緩徐導入が多く,静脈路確保に抵抗が強い患者が多いと考えられた.導入の時点から亜酸化窒素を使用する症例も318例でみられた.しかし術後悪心・嘔吐の原因となることもあるため症例ごとに判断し,最小限の使用に努める必要がある.Cormack分類ではGradeⅠが多いが,顔面などの先天性形成異常を伴う症例も散見され,気管挿管困難に備えることが肝要である.使用する薬剤はそれぞれの症例に合わせて選択し,筋弛緩薬では投与量の決定と,筋弛緩モニターによる情報収集(TOF)から筋弛緩拮抗薬の使用の有無,投与量を慎重に検討するべきである.

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