応用地質
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論文
前橋泥流堆積物の液状化強度と構造物基礎検討
樋口 邦弘設楽 信昭鵜飼 恵三
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2012 年 53 巻 1 号 p. 12-20

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抄録
 前橋泥流堆積物は弱固結した火山灰質砂質土地盤からなる.当地盤の分布する上,中および下流部の 3 地点のブロックサンプルを用いた繰返し非排水三軸試験で液状化強度比RL=0.43,0.69および0.57を得た.当地盤は 『道路橋示方書V耐震設計編』による方法でN値からRL =0.1~0.3が算定され,レベル 2 の地震動に対してこれまで液状化するとされてきたが,土質試験で得られたRL 値はN値による算定値の約 2 ~ 4 倍と大きく液状化しないと判定できた.この差異はN値によるRLの算定が未固結な砂質土地盤を対象とし,弱固結地盤のRL値を過小評価することに起因するものと考えられ,N値による評価の困難な地域特性のある地盤と判断される.このような地盤上に建設する構造物を設計する際,RL値を正しく評価した液状化判定を行うことが建設コストの縮減につながる.
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© 2012 一般社団法人 日本応用地質学会
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