2005 年 46 巻 2 号 p. 72-78
7種類の岩石と硫酸ナトリウム溶液を用いて, 塩類風化の室内実験を行った. 実験は岩石供試体を溶液に浸したのちに乾燥させて硫酸ナトリウムの結晶を析出させるというサイクルを15回繰り返した. その結果, いくつかの岩石は徐々に風化・破壊していった. その風化速度を弾性波 (P波) 速度の低下によって把握した. 一方で岩石の物性を計測し, 風化速度との関係を吟味した. その結果, 岩石中に小さい間隙の量が多いほど, あるいは引張強度が小さいものほど, 塩類風化速度が大きくなる可能性のあることが示唆された.