応用地質
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46 巻, 2 号
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  • 山田 剛, 青木 久, 高橋 学, 松倉 公憲
    2005 年 46 巻 2 号 p. 72-78
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    7種類の岩石と硫酸ナトリウム溶液を用いて, 塩類風化の室内実験を行った. 実験は岩石供試体を溶液に浸したのちに乾燥させて硫酸ナトリウムの結晶を析出させるというサイクルを15回繰り返した. その結果, いくつかの岩石は徐々に風化・破壊していった. その風化速度を弾性波 (P波) 速度の低下によって把握した. 一方で岩石の物性を計測し, 風化速度との関係を吟味した. その結果, 岩石中に小さい間隙の量が多いほど, あるいは引張強度が小さいものほど, 塩類風化速度が大きくなる可能性のあることが示唆された.
  • 大東 憲二, 佐伯 茂雄
    2005 年 46 巻 2 号 p. 79-88
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    臨海沖積平野における広域地盤沈下の原因として, 被圧地下水位の低下や厚い沖積粘土層の分布などが考えられている. そこで, 本研究では全国の臨海積平野の中から濃尾平野を例に, その中でも代表的な地盤沈下域である蟹江地域内における水準点の標高や地下水位, 粘土層厚分布などの地盤環境情をGISを用いて整理した.
    その結果, 水準点の標高から, 蟹江地域の地表面等高線図や各年の地表面の変動状況を可視化することができ, 地盤沈下の響が顕著な箇所を把握することができた. また, 地盤断面図と地盤沈下観測井のボーリング柱状図データから, 三次元地盤構造図を作成することができ, 各準点直下の地層境界深度や粘土層厚を推定できた. さらに, 推定した粘土層厚を基に行った鉛直一次元圧密沈下解析により, 実測沈下量を再現で.
  • 田中 芳則, 風巻 周
    2005 年 46 巻 2 号 p. 89-98
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    島根県と鳥取県境の山地域を対象地として, この地域で古く栄えた“たたら”製鉄の原料となった砂鉄の採取跡地の分布と昭和47年の豪雨時に発生した斜面崩壊地の分布とを対比することによって, この地域の花崗岩風化の特徴を浮き彫りにすることを試みた. 現地調査と室内実験結果により, 花崗岩風化物であるマサの強度的特性は多数の微細な割れ目によって特徴づけられることがわかった. この微細な割れ目によって, マサは粒子単位に分離しやすく, マサ中の砂鉄を抽出する鉄穴流し作業に先立つ人力による掘削を容易にし, また一方では豪雨時に崩れやすい原因にもなった.
    風化層の発達に伴う安定性の変化につき斜面モデルを用いて検討した結果によれば, 比高の大きい斜面では風化層が厚くなると崩壊の危険性が高まり, 風化層の厚さが規制されることになるが, 比高の小さい場合には斜面深部まで風化されやすい. 深部まで発達した風化層は砂鉄採取作業を効率の良いものとし, 表層の風化がとくに進んだ比高の大きい斜面では浅い風化層が崩壊にしばしば結びついた. 鉄穴流し跡と崩壊跡地はともに花崗岩類分布域の中で近接して位置しているが, 前者では花崗閃緑岩, 後者では粗粒花崗岩分布域を主としており, それら相互の位置関係は岩質の相違ならびに地形発達に伴う風化の進行の相違を通じてもたらされた.
  • 森 一司, 阿部 栄一, 中村 道彦
    2005 年 46 巻 2 号 p. 99-102
    発行日: 2005/06/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    水垢の沈積や土砂の流入などが著しいため従来の孔内カメラでは深部までの観察が困難であった地すべり地内の水平水抜きボーリング孔を対象として, 新たに洗浄装置付のCCDカメラシステムを考案し適用してみた結果, 水平深度で最大50.5mまで良好な画像を得ることができた.
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