2024 年 5 巻 2 号 p. 104-109
末梢動脈疾患 (peripheral arterial disease: PAD) 患者の救肢において血流評価は重要である. 上腕足関節動脈血圧比 (ABI), 皮膚灌流圧 (SPP), 経皮酸素分圧 (TcPO2)は血流評価法として広く用いられているが, 検査時間の長さ, 検査中の疼痛などのため測定困難例を経験する. また足趾端や踵など曲面部の測定は困難である. 近年, 新しい血流評価方法として, 近赤外分光法 (NIRS法) による組織酸素飽和度 (regional saturation of oxygen: rSO2)値の有用性が報告されている. 今回我々は踵潰瘍を伴うPAD2症例に対し, 周術期にNIRS法を用いた血流評価を行った. 血行再建術後に潰瘍が改善せず, 皮弁形成・移植術を施行した. rSO2 値を測定し皮弁部位を選択し良好な経過を得られたため報告する.