2024 年 5 巻 3 号 p. 186-190
包括的高度慢性下肢虚血 (chronic limb-threatening ischemia : CLTI) の生命予後は不良であり, 生活の質, 日常生活動作も著しく低下させる. また, CLTIは疼痛が強く薬物療法でもコントロールが不良なこともあり, 治療が中断することもある. そのため, 脊髄刺激療法 (spinal cord stimulation : SCS) で疼痛コントロールができないか検討した. SCSは, 効果の有無を判断する試験刺激 (トライアル) と効果がある場合は植込みを行う方法がある. 本稿ではトライアル症例を報告する.
2015年1月から2022年8月まで春日部中央総合病院でCLTI 33名に対して疼痛コントロールを目的にSCSを施行した. 評価方法は, NRS (numeric rating scale), ODI (Oswestry disability index 2.0), PCS (pain catastrophizing scale) をSCS使用前後で評価した. 統計学解析は, Wilcoxonの符号付順位和検定で有意水準はp<0.05とした. 本研究結果よりNRSは平均5減少 (n=61, p<0.05), ODIは平均12点減少 (n=14, p<0.05), PCSは平均13点減少 (n=8, p<0.05) であった. CLTIに対してSCSによる疼痛コントロールは有効であった.