日本フットケア・足病医学会誌
Online ISSN : 2435-4783
Print ISSN : 2435-4775
原著
下肢切断予防としての患者指導介入
苅部 綾香東名 怜溝渕 亮池井 優香山本 はる田中 里佳
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2025 年 6 巻 1 号 p. 38-45

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抄録

 当院は伊豆半島内で数少ない形成外科標榜病院である. 2011年よりフットケア外来を開設し, 多くのCLTI (包括的高度慢性下肢虚血) の治療を行ってきたが下肢大切断を必要とする患者は多い印象にあった. 特に足潰瘍への治療アドヒアランスが低く, 感染併発による下肢切断が目立っており, これらに対しアドヒアランス向上を目標として患者指導方法へ介入を行った. 当院で下肢大切断を施行された患者を対象とし, 指導介入を開始した2022年8月以降を介入群, 2018年1月から2022年7月までを未介入群として切断数などについて調査を行った. 介入方法については, 患者が治療を実施できる状態か判断し処置実施者を選定するフローチャートを作成し, 多角的な処置内容については「足処置の処方箋」を発行し紙媒体で共有できるようにした. 結果として下肢大切断患者は109肢存在しており, 年間平均19肢切断となっていた. 切断の直接要因として感染が関与した症例は, 未介入群で約10肢/年であったのに対し介入後は3肢/年に減少させることができた. 今回の介入により, 患者指導の質の一定化が行え, 患者の治療アドヒアランス向上を図れたことが感染による下肢切断の減少につながったと考える.

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© 2025 一般社団法人日本フットケア・足病医学会
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