目的:遺伝性神経難病領域の認定・専門看護師の遺伝看護ケアの実施状況、態度、学習意欲に影響を及ぼす要因の分析を行い、遺伝看護教育の範囲設定と、臨床遺伝学や遺伝看護ケアの学習が生起するための内的条件を検討し、学習意欲を高める教育プログラムを構築するための示唆を得ることを目的に本研究を行った。
方法:慢性疾患看護専門看護師2名、在宅看護専門看護師3名、訪問看護認定看護師34名、日本難病看護学会認定難病看護師42名から回答が得られ有効回答率は10.6%であった。研究者らが作成した無記名式自記式質問紙により神経難病領域の遺伝看護ケアの実施状況、態度、学習意欲向上への課題と関連する要因についての調査を行ない記述統計にて分析した。自由記述については質的内容分析を行った。
結果:神経難病領域の専門性を持つ看護師は、遺伝看護の実践の場があり学習レディネスは高かった。診断初期や告知時の対応、遺伝学的検査に対する意思決定支援、遺伝医療部門との連携方法と遺伝カウンセリング後のフォローアップ方法、在宅における関わり方、遺伝的課題や倫理的課題の推論方法について教育の範囲を設定する必要があることがわかった。また、知識・経験・学習機会の少なさが自信のなさにつながっていた。
結論:看護師の学習意欲を高めるには、患者・配偶者・at risk者それぞれに対する看護ケアに長期的ケアの視点を含めること、そして、看護師が自分のケアの振り返りを行い看護目標の設定と評価ができるような遺伝看護教育プログラムを開発する必要があることが明らかになった。