胆道
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症例報告
胆道出血を契機に診断された胆嚢管癌の1例
水野 成人辻江 正徳若狭 朋子太田 善夫
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2018 年 32 巻 4 号 p. 763-767

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抄録

胆道出血による肝胆道系酵素上昇が診断の契機となった胆嚢管癌の1例を経験した.症例は77歳男性,上腹部痛を訴え救急外来を受診した.肝胆道系酵素の上昇を認め,単純CTで総胆管・胆嚢管結石と診断した.抗血栓薬2剤を内服中であり,初回のERCでは胆管ステントを留置した.5日後のERC再検時,総胆管に明らかな結石は認めなかった.胆嚢管が造影されないため胆嚢管内の結石と判断し,手術を予定して一旦退院した.2カ月後に腹痛で再度救急受診した.単純CTで総胆管内に高吸収域を認め,胆道出血と診断した.ERCでは胆管口からの出血と胆管内に凝血塊を認めた.造影CTで胆嚢管に造影される腫瘤があり,胆嚢管癌を疑った.同部の擦過細胞診で腺癌と診断され,肝外胆管切除術が施行された.抗血栓療法中の患者が肝障害を認めた場合には,肝胆道系腫瘍からの出血の可能性を考慮する必要がある.

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© 2018 日本胆道学会
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