2021 年 19 巻 2 号 p. 43-53
目的:第1子に染色体疾患のある児の親が、第2子妊娠中に出生前検査を検討するにあたり巡らせた思いを明 らかにする。
方法:第1子に染色体疾患があり第2子を出産した親11名に半構造的インタビューを実施し、出生前検査検討 にあたり巡らせた思いに焦点をあて、質的記述的に分析した。
結果:インタビュー内容を分析した結果、9カテゴリが抽出された。第1子に染色体疾患があり第2子を出産 した親は、第1子を出産し子育てする中で【障がいに対する捉え方の変化】を感じていた。どんないのちも大切ないのちと捉え、第1子について【子育ての悩みや喜びは普通の育児と変わらない】と感じ【障がいの有無にかかわらず我が子は可愛い】が、【障がいのある児を育てる中での負担感】や【障がいのある児を出産したことへの引け目感】を感じていた。第2子妊娠中は【次子の障がいの有無を知らないでいる不安】を抱き、【出生前検査に対する葛藤】の中で【次子に障がいがあった場合の生活を見据え(る)】た夫婦の話し合いがなされていた。また、出生前検査受検の選択において、【医師の言動が意思決定に影響(する)】を与えていた様子が明らかとなった。
考察:第1子に染色体疾患があり第2子を出産した親は、次子の障がいへの不安と胎児について知りたい気持 ちを抱いていたが、出生前検査によりいのちの選別がされていることや自身が検査を受けることへの葛藤を感じていた。障がいがあっても我が子は可愛いことを実感しているからこその思いがあると考えられた。また、社会の障がいに対する否定的な見方から、障がいのある児を出産したことへの引け目感を感じていたが、その要因として出生前検査の存在が影響していた。
染色体疾患のある児の親への理解とともに、不安に寄り添いながら、家族を含めて出生前検査への意思決定を支援することが必要である。