2017 年 27 巻 1 号 p. 135-139
経口的咽喉頭癌手術は咽喉頭癌において低侵襲手術として広く知れ渡っている。本邦においては,特に下咽頭癌病変に関しては佐藤式彎曲型喉頭鏡を用いたELPSが行われるようになってきた。定型的には上部消化管用軟性内視鏡を用いて術野の観察を行うが,その操作には十分な経験が必要であり通常は消化器内視鏡医とともに手術を行うことが多い。しかしながらマンパワーの問題,施設においては人員配置の問題などがあり,手術日程の調整が難しいことがある。当科はELPS導入時より全症例において耳鼻咽喉科・頭頸部外科医のみで同手術手技を行っている。本稿では当科の行っているELPS手技についてその特徴・問題点などについて整理し,紹介する。