頭頸部外科
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症例
総頸動脈破裂を救命し得た再発頭頸部癌の4例
入谷 啓介古川 竜也手島 直則四宮 弘隆大月 直樹丹生 健一
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2020 年 30 巻 1 号 p. 105-112

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抄録
頸動脈破裂は,頭頸部癌治療における致命的な合併症であり,その致命率は40%とされる。今回われわれは頭頸部癌治療に関連した頸動脈破裂を発症し,救命し得た4例を経験した。いずれも頭頸部癌再発例で,症例1は総頸動脈損傷による術中破裂,症例2は創部感染による総頸動脈の破裂,症例3は術後の創部感染の反復による2度の頸動脈破裂,症例4はニボルマブ投与で腫瘍が縮小し,頸動脈の体外露出に感染が加わったことによる頸動脈破裂である。治療法の選択にあたっては頸動脈破裂リスクを十分に考慮し,発症の際には症例ごとの病態に応じた止血・救命を迅速かつ的確に行えるよう普段からの蘇生訓練,他科との連携が重要であると考えられた。
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© 2020 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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