頭頸部外科
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症例
OK-432が著効した成人リンパ管腫の1例
宮地 祥多能田 淳平富岡 史行森 敏裕
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2020 年 30 巻 3 号 p. 421-425

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抄録

リンパ管腫は,胎生のリンパ管形成時期に異常を生じ形成される。また,80%以上の症例が2歳未満で発見されると報告がある。今回,OK-432が著効した成人リンパ管腫の1例を経験したので報告する。症例は60歳,男性。生下時より頸部腫瘤を認めていた。成人期の頸椎手術後より腫瘤は緩徐に増大傾向であり,58歳時より急速に増大したため,治療を希望され,当科受診された。リンパ管腫の治療法は,年齢や局在部位で摘出術あるいは硬化療法を選ぶ文献が散見される。本症例は術後の瘢痕醜形回避のため,硬化療法を選択した。硬化療法によりリンパ管腫は消失し,現在に至るまで再発を認めていない。

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