頭頸部外科
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症例
喉頭炎症性筋線維芽細胞性腫瘍の3例
次郎丸 梨那松尾 美央子山元 英崇久我 亮介本郷 貴大真子 知美橋本 和樹若崎 高裕安松 隆治中川 尚志
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2023 年 33 巻 1 号 p. 59-65

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抄録

炎症性筋線維芽細胞性腫瘍(Inflammatory myofibroblastic tumor:IMT)は,炎症細胞浸潤と紡錘形細胞の増生を特徴とする稀な中間悪性腫瘍である。3例の喉頭IMTを報告する。1例目は60歳男性で,声帯腫瘍に対し直達喉頭鏡下腫瘍摘出術を施行。2例目は53歳男性で,同様に摘出術を施行した。3例目は40歳男性で,声門下腫瘤の生検のみ施行した。全例FISH法にてALK融合遺伝子を確認しIMTと診断した。治療は外科的切除が第一選択だが,緩徐な増大であることが多く,経過観察に留めることもある。しかし喉頭IMTは,急速増大し窒息に至ることもあり,適切な治療時期の選択が重要である。

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© 2023 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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