Journal of the Japanese Society for Horticultural Science
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原著論文
‘新高’ナシ果実の果皮傷害に関連した外果皮の発生学的構造と特徴
Yoon-Pyo HongSeung-Koo LeeYoun-Moon ParkHee-Seung Park
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ジャーナル オープンアクセス

2008 年 77 巻 4 号 p. 382-387

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抄録

‘新高’ナシ果実の 3 つの生理傷害の原因となる変化や特長を形態学的手法によって解析した.果実表面の染み,黒変,はく皮傷害における形態的差異が顕微鏡により観察された.表面染み果実の表皮層は健全果実より 11.6 μm 厚くなっていた.これはコルク層が 2,3 層形成されたことに起因すると思われた.逆に黒変した果実の果皮は健全果より 95.8 μm 薄くなっていた.これは下皮層の崩壊によって引き起こされた.第 3 の障害,はく皮症状はコルク細胞層下の新生脱コルク層により特徴づけられる.はく皮を引き起こす脱コルク化の発達過程はコルク形成層の再活性化,コルク形成細胞の垂直伸長とコルク層に及ぼす物理的な力から成る.脱コルク化という用語はこのはく皮症状の形態的過程の記述のために初めて提案した.

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© 2008 園芸学会
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