Journal of the Japanese Society for Horticultural Science
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原著論文
ミカン亜科カンキツ連に属する数種植物における蛍光 in situ ハイブリダイゼーションによる 5S rDNA の検出
山本 雅史Abkenar Asad Asadi松本 亮司久保 達也冨永 茂人
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2009 年 78 巻 3 号 p. 294-299

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抄録
ミカン亜科カンキツ連の 6 属・種植物の 5S リボゾーム RNA 遺伝子(rDNA)の位置を蛍光 in situ ハイブリダイゼーションによって検出した.5S rDNA プローブはビオチン-16-dUTP で標識した.プローブはフルオレセイン(FITC)-アビジン結合体によって検出し,染色体はヨウ化プロピジウム(PI)で対比染色した.染色体を G フィルターで観察すると,染色体は PI(+)バンドの有無および位置から 5 種類に区分できた.すなわち PI(+)を,B:一方の端部と動原体近傍に有する,C:両端に有する,D:一方の端部に有する,E:PI(+)がない,Dst:付随染色体を有する D 型である.Citropsis gabunensis では 2 つの 5S rDNA 遺伝子座は,D 型染色体上に存在し,Citrus reshni, Fortunella japonica, Clymenia polyandra および Swinglea glutinosa では,E 型染色体上に存在した.Poncirus trifoliata では 5S rDNA 遺伝子座は,D 型染色体の PI(+)上に存在する 2 個だけでなく,3 個は B 型染色体の動原体近傍の PI(+)に,1 個は D 型染色体の動原体近傍に存在した.
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© 2009 園芸学会
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