消費者は農産物を選ぶ際にその品質を重視する.したがって農産物の品質評価は大変重要である.農産物は,香り,外観,硬さなどさまざまな項目によって評価される.そのような項目の中で食感は特に農産物の新鮮さを示す最も重要な要素の一つである.収穫後に追熟する農産物では,食べ頃を判断する上で熟度が重要となる.熟度判定は非破壊検査でなされることが望ましい.現在までにさまざまな食感評価法および果実熟度の非破壊計測法が使われてきた.この総説では,このような品質評価法のうち,特に音響振動技術を用いたものに焦点を当てて概説する.