Journal of the Japanese Society for Horticultural Science
Online ISSN : 1882-336X
Print ISSN : 1882-3351
ISSN-L : 1882-3351
原著論文
フーリエ記述子と主成分分析を用いたトルコギキョウにおける花冠の三次元形状と花弁の二次元形状との関連性の評価
新居 加恵子河鰭 実之
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2011 年 80 巻 2 号 p. 200-205

詳細
抄録

本研究では,フーリエ変換を用いてトルコギキョウの花弁湾曲や二次元形状を定量的に評価した.花弁の湾曲は,花弁を側面から見た花弁中央脈の背軸面に沿った曲線をトレースし,得られたカーブの輪郭をフーリエ係数に変換して,これらを主成分分析にかけた.花弁湾曲は,第 1 から第 3 主成分までで,全変動の 95%以上が説明された.第 1,2 主成分は,それぞれ花の開き,花弁中間部の内側へのカーブを評価していた.花弁形状は,第 1,2 主成分で表され,それぞれ,花弁の横幅,花弁の重心を評価していた.さらに,品種と育種系統を合わせた全 122 品種について,花弁湾曲と花弁形状を表すフーリエ係数を用いて,自己解析マップによるクラスタリングを行った.その結果,4 つの典型的なグループ,ボウル型,トールカップ型,トランペット型,ロート型が見出された.花弁湾曲の第 2 主成分は,花弁形状の第 1 主成分と高い相関があり,ボウル型とトールカップ型の花冠の花弁湾曲形成は,横幅の広い花弁と関連があることが示された.

著者関連情報
© 2011 園芸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top