抄録
‘フユザンショウ’と‘カラスザンショウ’の 2 つの異なる実生台に接ぎ木した‘ブドウサンショウ’の成長および収量を定植後 8 年間比較検討した.樹高は,‘カラスザンショウ’台が‘フユザンショウ’台と比較して高く推移した.両台木とも定植 6~7 年後で樹高の増加はみられなくなった.樹冠容積も‘カラスザンショウ’台で,定植 2 年後から大きく推移した.‘カラスザンショウ’台の 1 樹当たり収量および樹冠容積当たり収量は,定植 7 年後から‘フユザンショウ’台より多くなった.成木期の‘カラスザンショウ’台は,樹冠容積の増加とともに 1 樹当たり収量も多くなった.したがって,‘カラスザンショウ’はサンショウ栽培において有効な台木であると考えられた.