抄録
1.土壌の乾燥とグラジオラスのblind発生との関係を知ろうとして,1959年に3つの実験を行なつた。
2.第1の実験は灌水間隔を変えることによつて,どの程度の乾燥と湿潤が繰返された場合にblindが発生するかを知ろうとしたもので,実験の結果は土壌湿度平均36.5%以上で灌水が行なわれた場合にはbiindは発生しなかつたが,22.5%以下に低下された場合にはblindが発生した。
3.第2の実験は連続した乾燥が与えられた場合,どの程度の乾燥によつて花芽が枯死するかを調べたものであるが,この場合には葉が枯死する以前に生長点の枯死は認められなかつた。
4.第3の実験は,発育段階を異にした場合の乾燥に対する抵抗力を調べたものであるが,発育段階の進んだものほど抵抗力が少なかつた。
5.以上3つの実験のいずれにおいても,乾燥によつて発育が停止または遅延したので,秋植の場合には日長の影響を受けて,2次的にblindが発生する可能性がある。
6.乾燥によつて根の発達が阻害されるので,土壌からの養水分の吸収が妨げられ,葉による同化作用も低下するので栄養障害によるblind発生の可能性もおこつてくる。