抄録
ハツカダイコンのすいり程度と有機成分含量との関係をしらべた。
根における可溶性物質の濃度はすいりが進行するにつれて減少するが, 含水量の影響をうけやすく, すいり程度の測度として用いることはできない。
組織粉末比重はすの入つていない根や耐す性品種の根で大きく, 充実の程度とすいりの程度との関係が明らかにみとめられる。
脂肪, でんぷん, 蛋白はすいり根で少なく, 細胞膜はすいり根で多かつた。細胞膜の構成分であるペクチン質はすいり程度の進んだ根で著しく少なくなるが, ヘミセルローズは著しい変化を認めなかつた。
結論として, 柔細胞の離生間隙発生によるすいりは細胞膜中葉のペクチン質の消失によつておこる。その結果細胞が孤立して通道組織から柔組織への同化物供給が困難となり, 細胞含有物の不足となるものと考えられる。