園芸学会雑誌
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キュウリの果実肥大に関する研究 (第1報)
窒素施肥量と着果
松崎 昭夫早瀬 広司
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1963 年 32 巻 2 号 p. 121-130

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抄録
キュウリ「加賀節成」の雌系統を用い. 窒素供給量を変えることによつて着生した雌花がどの程度まで結果肥大し得るかを検討した。
窒素は1/2000アール当たり要素量で0.5, 1.0, 2.0, および4.0gを全量基肥とした。高窒素区で初期生育の遅れがみられたので第2実験では分施した。使用土壌は圃場心土の無肥料土で開花時には窒素欠乏を呈する程度の窒素を含有していた。子葉展開時にポットに1株植えとし1区に6株 (第2実験では5株) を供試, 自然日長ガラス室で栽培した。側枝は発生と同時に摘除し, 雌花下のは開花時に人工授粉を行ない, 10日後に収穫した。
低窒素区は初期生育は良好であつたが後期には窒素欠乏症を呈した。他方高窒素区は初期生長は遅い (草丈低く葉面積も小さい) が時間の経過と共に生育が旺盛になつた。分施をした場合, 初期生長の遅れは認められなかつた。
雌花着生数と開花数は窒素量に関係なく一定であつたが, 開花時の子房の大きさと着果率は高節位では窒素量の増加と共に大きくなつた。
収穫された果実の大きさは, 低節位では低窒素区が大きいが, 高節位では逆に高窒素区ほど大きかつた。分施をした場合は高窒素区, 低節位の果実も低窒素のそれとほぼ同じ大きさに達した。
収穫果数は高節位では高窒素区ほど多く, 総収量も窒素量の増加と共に大きくなつた。
収穫打ち切り時の茎葉重と総収量の間にはかなりの相関 (第1実験0.5964**, 第2実験0.4652*) が認められた。
20節附近に開花できない, また開花しても大きくなれない雌花が存在することについては, 下位節で既に肥大中の果実の存在することと植物体からの栄養供給量との関連において論議された。
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