園芸学会雑誌
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土性と窒素肥料の分施がサツマイモの地上部生育相ならびに塊根の着生および発育に及ぼす影響について (予報)
森田 敏雄
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1963 年 32 巻 2 号 p. 143-148

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抄録
砂土から埴壌土までの粘土含量の異なる4種の土壌を調整し, 窒素の全量を適期に1回に追肥した場合と, 半量を元肥, 半量を適期に追肥するといつた分施法を採つた場合とで, 地上部の生育相の上にどのような差異が見られ, ひいては塊根の着生ならびに肥大発育の上にどのように影響するかについて, 多肥分施の場合をも含めて調査を行なつた。
1. いずれの土壌でも窒素肥料の全量を1回に施用すると, 塊根の着生に密接な関係をもつ7月中旬から8月中旬にかけて, 地上部生育が急激に行なわれるため, 塊根の着生を不利にすることになるが, 分施法を適用することによつて, この期間におけるつるの伸長が緩和され, 塊根の着生に役立つことになる。
2. 窒素の全量を適期に1回に施用すると, 肥大期に入るころからすでに地上部生育が衰え始めるに至るが, 分施法を適用すると, 肥大期に入つても地上部生育が徐々に続けられるため, いもの肥大発育の上でも有利な態勢に置かれることになる。
3. 分施法を適用すると, その全量を1回に施用した場合に比し, いもの着生ならびに肥大発育の上でも恵まれるため, それだけ増収が得られることになる。しかし分施によつていもの多くなる代わりにいもの小形化を招くことになり, かえつて大いもの収量を減ずることになる。
4. 砂質地では窒素を多用する場合, 加里の施用量を考慮しなくても, 分施方式を適用すると安定して増収がもたらされるようであるが, 粘質地では仮に分施法を採る場合でも, 窒素だけを増量したのでは減収を招く傾向が見られる。
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