園芸学会雑誌
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イチジク樹の栄養に関する研究 (第1報)
3要素の施用濃度が樹体の生育ならびに果実の収量と品質に及ぼす影響
平井 重三中川 昌一南条 嘉泰平田 尚美
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1964 年 33 巻 4 号 p. 273-279

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抄録
1. イチジク (マスイ•ドーフィン) を用いて, 1956~1957年に砂耕栽培を行ない, 未結果樹および結果樹に対する3要素施用濃度ならびに施用比が, 樹体の生育, 果実の収量と品質におよぼす影響を調査した。
2. 樹体の生育は, 未結果樹ではN-80ppm, P2O5-40ppm, K2O-40ppmが最も良く, 結果樹では樹体の生育ならびに果実収量ともにN-80ppm, P2O5-80ppm, K2O-160ppmがよかつた。
3. 新梢の伸長と着果習性に関連して, イチジク果実の生育に窒素はかなり重要な要素であると考えられた。
4. 果実の品質にはリン酸施用の効果が大きく, 着色をよくし, また早期成熟果の割合を増加する傾向がみられた。
5. 結果樹の生育に対しては, リン酸および加里の好適施用濃度は高く, 未結果樹に比較してリン酸は2倍, 加里は4倍のときに最も良好な生育がみられた。
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