園芸学会雑誌
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ダリアの促成および抑制栽培に関する研究 (第3報)
日長が花芽分化および発達に及ぼす影響
小西 国義稲葉 久仁雄
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1966 年 35 巻 1 号 p. 73-79

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抄録
ダリアの花芽形成過程を観察し, さらに, 花芽の分化とその発達とのそれぞれに対する最適日長, 最低限界日長をしらべた。
1. 花芽形成過程は, 未分化も含めて, つぎの7段階に区分することができた。
(1) 未分化
(2) 生長点膨大期
(3) 総包および小包形成前期 (総包形成期)
(4) 総包および小包形成後期 (小包形成期)
(5) 小花形成前期
(6) 小花形成中期 (花弁形成期)
(7) 小花形成後期 (花弁伸長期)
2. 花芽分化は16時間日長でもみられたが, 短日ほど早く分化し, 10時間以下の日長では, 摘心後5日ですでに分化し始めていた。したがつて, ダリアは花芽分化に関して相対的短日植物と考えられる。
3. 花芽分化後も相対的短日植物としての日長反応を示したが, 長日の抑制的効果は分化前よりも低かつた。
4. 最適日長は, 分化始めまでは12時間以下であつたが, 花芽形成の段階が進むにしたがつて長日の方へ変わつていき, 結局は13時間日長になつた。
5. 最低限界日長も, 分化が進むにしたがつて長くなり, 分化開始での8時間以下から, 最終的には12時間となつた。
6. 好適日長に摘心後40日間おかれたものも, 最低限界以下の日長に移されると, 大部分が開花しなかつた。発蕾後15日以内に限界以下の短日に移されると, ブラインドになるのである。
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