園芸学会雑誌
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ジベレリン処理によるブドウデラウェアの無核果形成 の機構に関する研究 (第1報)
ジベレリンの開花前処理が花粉発芽に及ぼす影響
杉浦 明稲葉 昭次
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1966 年 35 巻 3 号 p. 233-241

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抄録
1. ジベレリンの開花前処理がブドウデラウェアの花粉発芽に及ぼす影響について花粉生理•形態学的に調べた。
2. 開花直前あるいは開花時の処理を除いては, 花粉の発芽は100ppmで完全に抑制されたが,花粉の発育は4分子期に処理されたものでも正常であつた。また花粉内のアミノ酸, 糖組成についても無処理と処理の間で質, 量ともに差はみられなかつた。
3. デラウェア花粉 (葯) の呼吸は開花前より開花時に向つて上昇し, ジベレリン処理花粉では処理後一時的に高められたが, 開花時のピークは無処理花粉の呼吸よりはるかに下廻つていた。また, 開花時の花粉の呼吸酵素活性も処理花粉では著しく低下していた。このような呼吸活性の低下がジベレリン処理によつてデラウェア花粉が稔性を失なつた一原因ではないかと考えられる。
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