園芸学会雑誌
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果菜苗の生長におよぼす地温の影響 (予報)
藤重 宣昭杉山 直儀
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1968 年 37 巻 3 号 p. 221-226

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抄録
バイオトロンまたは温室内において10°Cから35°Cまで5°C間隔に温度を調節した恒温水槽中に7~10日間ポットを入れ, トマト (福寿2号), キュウリ(青葉), ピーマン (栄光) の生長におよぼす地温の影響を茎長, 葉長, 新鮮重, 乾物重を指標として調べた。
1. 苗の生長に対する地温の影響は茎長, 葉長の増加量および新鮮重, 乾物重の増加量のいずれにもみられたが, とくに葉の伸長と新鮮重の増加とに対して著しかつた。
2. 乾物率は適地温で低く, 低地温および高地温の区では高かつた。
3. トマトにおいて, 葉長の増加量と地上部新鮮重の増加量との間には高い相関があり, 葉の伸長が地温の影響を表わす指標となることを示した。
4. トマトで本葉10枚展開の苗を用い, 気温20°C下で7日間処理を行なつた結果, 地上部生長の適地温範囲は20-30°Cであり, 10, 15°Cの低地温および35°Cの高地温区では生育が劣つた。
5. キュウリで本葉7枚展開の苗を用い, 気温25-15°C下で10日間処理を行なつた結果, 地上部生長の適温は25-35°Cであり, 20, 15, 10°Cとなるにつれて生育が不良となつた。
6. ピーマンとトマトを用い, 地温10, 15, 25°Cで10日間処理を行なつた結果, ピーマンはトマトよりも10, 15°Cの低地温において生育遅延が著しかつた。
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