抄録
培養液中のK, Ca濃度がそ菜のMn過剰障害に及ぼす影響について検討するため, 8種類のぞ菜を供試して水耕試験を行なった.処理はMn 0.5, 30, 100ppmと,KあるいはCa 2, 6, 18me/lの組み合わせとした. 培養液のpHは5に調節し, 処理期間は約3週間とした.
1. 過剰のMn処理によって, インゲンマメ, ナス,トウガラシ, ホウレンソウでは上位葉に葉脈間クロロシスが, またキャベツ, レタス, セルリーでは下位葉に葉縁クロロシスが発生した.ネギでは下位葉にクロロシスが発生した.K, Caの増施によってこれらのMn誘導クロロシスの発症程度は軽減されたが, 同効果は一般にCaのほうが顕著であった.
2. K, Caの増施はMn過剰による各種そ菜の生育阻害を改善する効果があった. 同効果もまたCaのほうが顕著であった.
3. 培養液中のMn濃度の増大に伴って各種そ菜葉中のMn含有率は高まったが, K, Caの増施は葉中Mnの過剰集積を抑制する効果があった. Caの効果はKのそれよりも顕著であった.なお各供試そ菜とも, K, Ca処理とは無関係に, 葉中Mn含有率とMn過剰障害との間に密接な関係が認められ, 葉中Mn集積が増大するほどMn誘導クロロシスの発症および生育阻害の程度が著しかった.