園芸学会雑誌
Online ISSN : 1880-358X
Print ISSN : 0013-7626
ISSN-L : 0013-7626
キャベツ栄養におけるマグネシウムとカルシウムの相互作用について
原 徹夫田中 耕園田 洋次岩井 巖
著者情報
ジャーナル フリー

1977 年 46 巻 2 号 p. 189-192

詳細
抄録
キャベツ (長岡交配早秋) を4段階のMg濃度 (0, 5, 25, 125ppm) とCa濃度 (4, 20, 100, 500ppm)の組 合わせによる16種類の水耕液で栽培し, これら要素供給量がキャベツの生育におよぼす影響を調査した.
全乾物重および球葉の乾物重は水耕液中のMg濃度の増加により, 水耕液中のCa濃度が高い場合は直線的に上昇し, 低い場合には上昇した後高濃度で低下した. 植物体のMgあるいはCa含有率は水耕液中のそれぞれの要素濃度の増加により上昇し, 他方の要素濃度の増加により低下した. Mg, Ca含有率が高い植物はそれぞれCa, Mg欠乏障害に陥りやすく, また全乾物重が低下するときの限界Mg, Ca含有率は外葉でそれぞれ0.1, 1.3% (乾物当り) であった.
これらのことより, キャベツの良好な生育のためには, MgおよびCa含有率が適当であるばかりでなく,Ca/Mg含有率比も適当な範囲にあることが望ましいと考えられる.
著者関連情報
© 園芸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top