園芸学会雑誌
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NH4NO3をN源とした培養液からのそ菜のNO3-N及びNH4-Nの吸収特性ならびに培養液のpH変化
池田 英男大沢 孝也
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1981 年 50 巻 2 号 p. 225-230

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抄録
硝酸態窒素 (NO3-N) とアンモニア態窒素 (NH4-N) が等濃度で共存するpH 5.0及び7.0の培養液を用い, 20種類のそ菜を5~9日間水耕栽培して, そ菜のNO3-N及びNH4-Nの吸収特性を比較した. 同時に, 培養液のpHの変化についても調査した. その結果, NO3-NあるいはびNH4-Nのいずれを優先的に吸収するかは, そ菜ないしは培養液のpHによって異なったが, 供試そ菜を分類すると次のようであった. a) 培養液のpHと無関係にNH4-Nを選択的あるいは優先的に吸収するもの: イチゴ, トウモロコシ, メロン, キュウリ, レタス, ミツバ, セルリー, シュンギク, セリ. b) 培養液のpHが7.0の場合はNH4-Nを優先的に吸収するが, pH 5.0の場合は両形態Nを同程度吸収するもの: ナス, エダマメ. c)培養液のpHと無関係にNO3-Nを優先的に吸収するもの: ホウレンソウ, ハクサイ, コカブ. d) 培養液がpH5.0の場合はNO3-Nを優先的に吸収するが, pH 7.0では両形態Nを同程度吸収するもの: エンドウ, インゲンマメ, スイカ, トマト, キャベツ. e) 培養液pHが5.0の場合はNO3-Nを, pH 7.0ではNH4-Nを優先的に吸収するもの: ピーマン, 培養液のpHの変化については, NH4-Nが優先的に吸収される場合はpHが低下し, NH4-Nが吸収し尽くされると, pHは変化しないかあるいはむしろ上昇する傾向が認められた.
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