園芸学会雑誌
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トマト果実の追熟に及ぼす追熟抑制因子 (rin) の影響
澤野 稔水野 進孫 緒孟小机 信行
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1984 年 53 巻 1 号 p. 79-86

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抄録
トマトの追熟に及ぼす rin 因子の抑制作用を更に明確に調べるため, 正常種‘Rutgers’と同質遺伝子系統のrin 変異種の果実を用いて, 呼吸及びエチレン発生量,ABA及び幾つかの果実成分の貯蔵中の変化を調査した.
1. 貯蔵中の果実の炭酸ガスとエチレン発生量は‘Rutgers’では breaker stage から dark pink stageの間にピークがみられたが, rin果実では呼吸のクライマクテリック•ライズ及びエチレン発生量の上昇はみられなかった.
2. 果肉部の遊離ABA含量は‘Rutgers’ろ rin で共に貯蔵9日目にピークに達し, 以後減少した. その含量は‘Rutgers’におけるよりもむしろrinの方が多かった. 結合ABAは遊離ABAのそれとほとんど平行的な変化を示したが, その割合は遊離型に比べて低かった.
3. 果肉部のIAA含量は‘Rutgers’においてのみ追熟中増加し, dark pink stage をピークに検出されたが, rin ではほとんど検出されなかった.
4. 果肉部の炭水化物含量と滴定酸度は貯蔵日数の経過につれて漸減したが, ‘Rutgers’と rin 両果実間に大差はみられなかった.
5. 貯蔵中の果肉部における主要な遊離アミノ酸はアスパラギン酸, スレオニン+セリン区分, グルタミン酸, フェニールアラニン及びγ-アミノ酪酸であった. これらのアミノ酸のうち, アスパラギン酸とグルタミン酸含量は‘Rutgers’と rin で共に貯蔵中著しく増加した. 他のアミノ酸については大きな変化はみられなかった.
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